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1987年、ピンク・フロイドの来日公演を大阪城ホールで観た。ステージ後方に設置された特大の円形スクリーンには、曲にあわせて様々な映像やライティング効果が映し出されていたのだが、「エコーズ」という曲の演奏中、私の目はそのスクリーンの映像に釘付けになった。淡い青緑の波が巻きつく中(後にチューブと呼ばれることを知る)を、ゆっくりとスローモーションで進んでいく映像。光と波が織り成す奇蹟的かつ神秘的なその美しさは、自分にとって全く初めて目にした世界であった。
当時その映像が何だったのかは調べる術もなかったが、何年経ってもハッキリと忘れがたい記憶として、ときどき思い出してはいた。で、1年半ほど前に突然そういえばあの映像は一体何だったのか、ネットでなら分かるだろうと検索したところ、あまりヒットするサイトは無かったのだが、サーフ映画の名作「ビッグ・ウェンズデー」の水中カメラマンである、ジョージ・グリノーという人物が撮影した『クリスタル・ボイジャー』という作品の中の一部だということが分かった。何と彼は水中カメラを背負い、ニーボードやビーチマットで波乗りをしながらその映像を撮ったという。
早速1972年に制作されたその映画のDVDを探すも、国内版は見つからず、アマゾンUKからやっとこさ輸入版を取り寄せた。しかし信号がヨーロッパ版のPAL方式だったため、日本のDVDデッキ&TVでは見ることはできず、PCでしか再生できない。で、あるリッピングソフトで苦労してプロテクトを外し信号を変換して、頭出しは上手く作動しないが何とか家のTVで見れるようになった。そして、あぁ、あの時の映像が蘇った時の感動ときたら!「エコーズ」のサイケデリックな音と相まって繰り返されるその映像は、サーフィンに興味がない人間であっても間違いなく心を奪われてしまう。
さて、つい最近ふと『クリスタル・ボイジャー』でまた検索してみた。アレレ?山のようにヒットするではないか。え?「2004年12月、伝説のサーフ・フィルムが30年以上の時を経てついに日本初上陸!」。ええッ?「いよいよDVD化、サーフ映画版・2001年宇宙の旅!」。知らぬ間にこんなことになっていたとは、嬉しいやら悲しいやら....こんなことなら映画館で観たかったです。
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