| 微塵の湿っぽさも持ち合わせない強靭なリズム隊と、ジャンクな匂い溢れるギターに包まれながら、カラっぽの虚空から響いてくる声。激しさと切なさと怒りと喜びと、あらゆる感情が混ざり合い得体の知れない物体となって降り注ぐ。まさに「剥き出しの、音と感情の塊」と表現するのが一番しっくりくるかもしれない。
そしてそこにある「塊」に、何も考えず意識を委ねることによって、こんがらがった自身の感情がゆっくりと解かれてゆくのが、ひたすら気持ち良い。それはおそらく奏でている三者の本質がイコール、そのままモーサム・トーンベンダーの本質、存在として直結しているからであり、装飾や嘘が一切排除されているからではないか。
グランジ以降、ニルヴァーナに影響を受けたバンドは腐るほどいる。しかしその多くはハードなギターリフレイン主体の曲構成に、対比的な歌メロを、ささくれ立った声で乗せていくという、表面的なスタイルのみに終始したものである。あの、曲が熱く盛り上がっても、どこまでも底無しの空白しか生み出さないというやるせなさ。その核ともいえるエッセンスを引き継いでいるバンドはなかなか存在しない。
サウンドとしてはグランジを基調にした殺伐度満点のギターロックであるが、曲によってはポストパンクやダブなどを大胆に取り入れ、ズタズタに解体後、さらに再構築されていたりもする。そして時折り、キラキラとしたメロディアスな曲に遭遇するのだが、これがまた底無しに美しいサイケデリア。壊れ加減と純粋さとの奇蹟のバランスを持ちえた、博多出身のスリーピースバンドです。 |