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とろけそうにメロウな白日夢

2006.04.22

The Flaming Lips 「The Soft Bulletin」「Yoshimi Battles the Pink Robots」「At War With the Mystics」

The Flaming Lips
The Flaming Lips
"The Soft Bulletin"

とにかく一曲目、まずこれに尽きる。音が鳴ってほんの数秒、溢れんばかりの幸福感にウキャーと叫びたくなる。こんなにもカラフルで感動的な曲にはそう出会えるものではない。もちろんアルバム全体として世紀の傑作なのは間違いないのだが、何せオープニングの「Race for the Prize」なのだ。90年代終わりまで、バットホール・サーファーズなどと同じ系譜で語られることが多かった、マニア受けする変態的ガレージバンドが生まれ変わった瞬間、世界中がそれを受け止めたのであった。

The Flaming Lips
The Flaming Lips
"Yoshimi Battles the Pink Robots"

「The Soft Bulletin」の次、誰もが注目する中でリリースされた本作は、うって変わってひたすらメランコリック、そしてミニマムな響きに溢れたものとなる。前作の色彩が世紀末の虹色なら、これは未来の夕暮れ色と言えないか。子供の頃、非日常的なおとぎ話を聞いたときに沸き上がった、不思議な感情を思い出す。ボーナストラックで「あのコはYoshimi、空手の黒帯。僕らの街のためにいつも鍛えとんねん。いつかきっと彼女はメチャクチャ強い悪のマシーンをシバキ倒すだろう」と拙い大阪弁で唄われるのがこれまた最高。ちなみにYoshimiとはボアダムズのヨシミちゃん。

The Flaming Lips

The Flaming Lips
"At War With the Mystics"

さらに4年の歳月を経てリリースされた最新作。前2作のエッセンスを引き継ぎつつ、インディーズ時代の猥雑で偏執的なサウンドをも取り入れた楽曲の広がりは、またしても「魔法」とか「万華鏡」という言葉がピッタリとくる。咲き乱れる花と、土砂降りの雨と、目眩がしそうな太陽。まったくこの人たちは、狂気を突き抜けた向こうに見える理想郷を描き出すのが上手いというか、血としてDNAに持っているというか、ホントたまりません。

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