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かつて母方の実家が東京の杉並区荻窪にあり、子供の頃は毎年夏休みに入るとずっと、私と母と妹と祖父・祖母でその家で過ごしていた。自分が中学・高校の頃にもなると、一人で冬休みや春休みに尼崎の家を飛び出してフラっと新幹線で東京まで行き、祖父が亡くなって祖母と犬だけが住んでいたその家にしばらく滞在するようになった。かといって特になにをするでもなく、バスや電車を乗りついで吉祥寺や西荻窪、新宿や渋谷をひたすらブラブラするだけの毎日。それでも十分楽しかった。
何といってもガキだったので、若者向けの派手な店が集まる原宿や渋谷を歩き回ることが多かったのだが、居心地がいいというか自分にしっくりと来たのは断然、中央線沿いの街だった。特に中野〜荻窪から西荻窪〜吉祥寺あたりは、雑然とした中に漂う緩い空気感が、関西の下町と共通するものがあり、それプラス、サブカル的なテイストがあちこちに溢れていて妙にワクワクした。もう20年以上も前のことである。
今でも東京出張などで泊まりが必要なときは、都心の仕事場から離れた荻窪にわざわざビジネスホテルをとり、おぼろげに残っている当時の記憶を辿って、深夜や早朝の街並みを散策したりする。すっかり様変わりしてしまったところもあれば、当時とほとんど変わらず残っているところもあり、角を曲がって目に飛び込んでくる景色にドキドキして、懐かしさで胸が一杯になる。あぁ知らぬ間に人生も半ばを過ぎてしまった。
「ノー中央線ノーライフ」なるファンキーなキャッチコピー。西原理恵子、ゲッツ板谷、リリー・フランキー、故・高田渡、みうらじゅん、角田光代、銀杏BOYZ、友部正人、増子直純(怒髪天)などの、現在・過去問わず中央線にゆかりのある筋金入りの濃ゆい方々が、思い出を語ったり何かをやったり(企画?)する。愛と青春と爆笑のタノチュー。
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