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近年、大人なら誰もが鮮明に憶えている事件の一つに「グリコ森永事件」、別名「警視庁指定広域重要114号」がある。平成12年3月の時効までに結局誰ひとりとして犯人が捕まることなく、今では完全犯罪の代名詞のようになったこの大事発生当時、高校生だった僕も連日のようにテレビや新聞で「かい人21面相」の文字を目にした。
次から次にマスコミに送られてくる脅迫状や、警察とのカーチェイス、金塊引渡し工作など、半ばドキドキしながらも、ここまで派手にやったらこりゃそのうち捕まるよ、と誰もが思っていたはず。しかし結局、数々の謎を残したまま犯人はものの見事に消えた。事件についてはその後、何冊か興味深い本が出版され、自分は貪るようにそれらの本を片っ端から全て読んだ。中でも特に、一橋文哉の『闇に消えた怪人』は、凡百の小説や映画よりもよっぽど面白く、まさに手に汗を握りながら読んだものだった。また、当初キツネ目の男ではないかと疑われていた宮崎学のデビュー作『突破者』も痛快だった。
時は流れて今年の初め頃、何かのテレビ番組でグリコ森永事件が取り上げられているのを家族で見ていたとき、息子が異様に興味を示したので、ザっと事件のあらましをカミさんと二人で説明して、あとは本を読みなさいと、それらの本を数冊渡した。もちろん「オモロイぞ〜」という一言も忘れずに。すると幸か不幸か、息子はドップリとハマってしまい、今でも暇さえあれば漫画と宿題の合間に繰り返し読んでいる。あまりにも繰り返し読むものだから、本がどれもボロボロになってしまったほどである。ネットでも勝手に調べたりしているので、今では僕より事件に詳しいかもしれない。
そして驚いたことに先月、新たな本が出版された。その名も「真犯人−グリコ森永事件最終報告」。ウオ〜と僕は喜んだが、息子はそれ以上に狂喜したのは言うまでもなく、買って帰ったらいきなり奪われて先に読まれてしまった。しかし今さら何てこった、この新事実は一体…!となること間違いなしのこの本。というのもグリコ森永事件の犯人は、平成6年8月に起こった「史上最大の銀行強盗事件」と呼ばれる、福徳銀行神戸支店から5億4千万円が強奪された事件の犯人と同一人物だというのだ。物語は犯人グループの一人から著者のもとに届いた一通の手紙から始まる、まさに驚愕のノンフィクション。
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