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何を大切にしてきたか

2008.09.23

はたらきたい。 / ほぼ日刊イトイ新聞

はたらきたい。
はたらきたい。
"ほぼ日刊イトイ新聞"

ほぼ日刊イトイ新聞の本
ほぼ日刊イトイ新聞の本
"糸井重里"

書店で「ニートのなんたら・・」とか「格差社会がどうの・・」というような本が並んでいるコーナーに、この本はあった。何気なく手にとってパラパラと読んだのだところ、あまりにも共感することが多くて、レジへ向かってしまった。ほぼ日刊イトイ新聞で、2007年の4月から3ヶ月間にわたり連載された特集「ほぼ日の就職論」を一冊にまとめたものである。

民間の人事専門家や、キャリア論の研究者など「就職のプロフェッショナル」だけでなく、サブカル好きの僕にとっては馴染み深い、ピエール瀧、天久聖一、板尾創路、さらには矢沢永吉までもが語る活きた言葉、それでいて間違いなくどんな職業にも当てはまる説得力満点のリアルな言葉が、ここには書かれている。就職する前に読むことが出来れば、きっと大切なことに気付いただろうし、またすでに社会人であっても改めて「働くことの本質」について考えさせられる良い本だ。

僕は若い頃、働くことをバイトの延長感覚でしか考えていなかったクルクルパーだったので、就職も適当に決めたし、そんなのだから当然続くわけがなく、何度も転職した。紆余曲折あり、最終的に今は個人事業主として細々と生計を立てている。己の仕事に真剣に取り組み始め、真の面白さや苦しみ、そして全力でブチ当たった先にだけ存在する達成感に気付いたのなんて、ほんのここ5年ほどのことである。

で、最近は仕事をする上での自分のポリシーとして3つのことを守ろうとしている。一つは「謙虚であること」(良い仕事が出来てもそれは自分だけの力ではない)、一つは「素直であること」(人の意見や忠告には耳を傾ける)、最後に「人のせいにしない」ということ。この3つ目の「人のせいにしない」ということに辿り着くには本当に時間がかかった。上手くいかないことがある。ドツボにハマって泣きたくなるときもある。しかし何をするにせよ決めたのは自分、選んだのは自分なのだと言い聞かせるようにしている。でも苦しい。言葉ほど簡単には納得できない。

「こんな失敗したのも、元はといえばあいつが・・・」などとすぐに責任転嫁しそうになる。そこをグっと歯を喰いしばって踏ん張り、自分に出来ることを全てやる。そのうえで流れに身を任す。そうすると例え結果がどのようになろうとも、「よし次も頑張ろう」という気になる。ま、だいぶ理想も含まれていますが。でもね、この本で矢沢永吉が最後に就職論としてただ一つ、「どんな生き方、働き方をするにせよ、絶対に人のせいにしちゃダメだよ、まわりのせいにしちゃダメだよ」と語っていたのだ。そしてその言葉をそっくりそのまま自分にも問いかけている、と。僕は心を打たれて動けなくなった。

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