マカロニ惑星
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波打つプールを眺めながら

2006.07.23
自分にとって、とっておきの場所というものがある。1年のうち1〜2回、それも夏しか行くことのできない場所。尼崎市から車で北に一時間ほど行った、川西の猪名川町にある町営プールがそれだ。猪名川町には町営のプールが北と南に存在し、北プールは山奥の結構とんでもないところにあるのだが、周囲を山と田んぼに囲まれた、最高に素晴らしい環境のプールなのである。

とはいっても、25mと子供用のプールがあるだけで、自動販売機すらない古くて質素な町営プール。入口ではお爺さんが受付をしていて、更衣室はまるで中学の部室のよう。監視員はおそらく町内の高校生と思われる木訥な若者が暇そうに座っている。いつ来ても客は近所の子供やその親がポツポツといるだけ。そりゃこんな山奥の何にもないプールに若者は来ないだろうが、そこがまた良いのだ。静かに弛緩した空気の中、濃緑なる山を眺めながらプカプカ身体を浮かべていると、いつの間にやら心がカラッポになるのである。

しかし今年は一人きりでの出動。去年まで毎年一緒に来ていた息子は、中学生になってからサッパリ親とは行動を共にしなくなった。当たり前か。自分だって小学校の終わりの頃から親とどこかへ出かけたなんて記憶はほとんどない。が、やっぱり寂しい。寂しすぎる。いつまでも一緒にどこかへ遊びに行こうぜオイ、と心の中で泣いている。

ということで久しぶりに晴れた空の下、一人で車を走らせた。ところがプールに入って10分もしないうちに、山特有の不安定な天気なのか夕立が降り始める。それでもあまり気にもせず泳いでいると、雨は勢いを増し、風がビュウビュウ吹き荒れ、雷もゴロゴロ鳴り出した。さすがにみんな、プールサイドのテントに避難し始めたので自分も雨宿り。

するとしばらくして空はさらに、まるで大型台風直撃のごとく荒れ狂い出し、そのうち全ての家族連れや監視員すらも引き揚げてしまった。きっと止むと信じて海パン一丁でブルブル震えながら、土砂降りに波打つプールを見ている自分。俺は一人こんなところで何をやってんだろうと呆然とする。その後30分待っても雨はあがる気配すらなく、結局帰ることにした。雨のバカヤロウ。孤独のバカヤロウ。

<※猪名川町営北プール・・・兵庫県猪名川町笹尾字高町11番地1>

  この後、嵐がやって来た。山をなめたらアカンでワレ。  
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