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夕焼け番長と友達に

2006.08.11
台風7号が紀伊半島に接近していた火曜日の19時頃、返りの電車でSPA!を読みながら、仕事でテンぱった頭の回路に下世話なネタをズコズコ注入していたとき、ふと顔を上げると車窓の向こうに驚くほど美しい夕焼けが広がっていた。それは、下は山吹色で真ん中はオレンジがかった琥珀色、ちぎれた雲にかかる上の部分は赤紫という、今まで見たこともない奇跡のようなグラデーション。おそらく台風接近による影響なのであろう。車輌の中でも気付いた数人が、わざわざ振り返ってまでジっと見ている。

すかさず家に「いま夕焼けが凄くないか?」とメールすると、カミさんから「ちょうど息子と見ていて感動していた」と返事があった。これは一刻も早く家に到着しなければ。5月に引越しした今の4階の部屋は、8月はモロ西日の影響を受けるため、クーラーをフル稼働させないと地獄のような暑さになると判明したのだが、ベランダからの見晴らしが素晴らしく良い。目の前には広大な田んぼがあるだけなので、六甲山へ沈んでゆく夕日がドカーンっと見えるのである。

とはいいつつも、電車が駅に着く頃には夕焼けは徐々に色を変え、辺りはかなり暗くなってきた。とりあえずホームからデジカメで写真を撮っておこうと乗客がひくの待っていたら、斜め前で若いサラリーマンが必死に携帯で写真を撮っている。「おぉ夕焼け番長、キミもか!」と思わず声をかけそうになった。しかしドラマや漫画じゃあるまいし、そんなスカっとした勇気は持ち合わせていない。でも友達になりたかった。一緒にビールを飲みたかった。

おっと、それよりも早く家に帰らねばと駅から自転車で猛ダッシュ。無情にも暗闇はどんどん空から降りてくる。住宅街の建物と木々の間から見える空は、もうほとんど黒に近い紫色だ。そして汗だくでマンションの駐輪場に到着後、4階まで階段を駆け上がり「ただいま!」とベランダへ一直線。フガガッ、やっぱりほとんど太陽は沈んでいたのであった(涙)。こんなことなら勇気を出して声をかければ良かったよ。

翌日の水曜日、朝10時に携帯が鳴る。ディスプレイの表示を見るとサカモトからだ。彼は専門学校で外国人に日本語を教えている10才年下の胡散臭くて愉快な神戸人。仕事中だったので席を外して電話に出ると、「絶好の卓球日和です」という寝起きの声が。「おう、今度メトロでな」と切った。行きたいよ卓球でも水球でも南半球でも。

  手遅れだったが、いちおうパシャリと。ほとんど真っ暗。  
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