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いまでもコンバース

2006.10.09
朝、通勤電車の中、僕の隣に立って吊革を掴む若いサラリーマンの腕に、ギラリと光る馬鹿でっかい腕時計。それ知ってるぞ、何かの雑誌で見たけどパネライとかいう外国メーカーの腕時計で、確か50万円くらいするやつだ。対して僕の腕には1万円で買ったSwatch。単純計算でこれが50個も買えてしまうのである。凄いな若造。新しいG-shock(ディスカウントで6千円)を買おうかどうしようかと悩んでいた自分が恥ずかしくなった。

正面の席では、OLがこれまた高そうなブランドもののバッグを膝の上に置いて、携帯のメールを打っている。バッグの口は半開きで、中の財布や化粧品のポーチが丸見えだ。僕は経験が無いのでよく分からないのだが、こういった高価なものを普通に身につけたり、持ち歩くのって怖くないのだろうか。たとえば夜道や、街の裏通りを歩くときドキドキしないのか、などといつも不思議に思うのだ。

もちろん外国のダウンタウンじゃあるまいし、ここは世界一安全な国の日本であるから、そんなことは無駄な心配なのかもしれない。しかし、もし仮に自分が社会から完全にハミ出した犯罪者で、失うものなど何もない身だとしたら、真っ先にこういった人たちを狙うだろうな、なんてつい想像してしまう。これって歪んだ間違った考え方なのか、それとも単なる悲観的な自分の性格なのか。ああ、もっと真っ当なプラス思考で生きることができたらいいのに。

そんなことを考えながらボンヤリと電車の窓の外を眺める。そういえば高校生の頃から身につけるもの、持っているものがほとんど変わっていない気がするなあ。文庫本が単行本に、ウォークマンがiPodに、AriaのギターがGIBSONへと、ややグレードアップしたくらいで基本的には何も変わっていないし、きっとこの先も変わらないと思う。見慣れた景色に秋の雨が降り注いでいた。

  いままで一体、何足のコンバースを履いてきたのかな。  
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