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芸術はプライスレス

2006.11.26

おそらく、一日中ネットに繋がったPCの前で仕事をしている人はみんな似たようなものだと思うけど、何かちょっと手が空くことがあれば、ついつい条件反射のようにニュースやポータルサイトをチェックする癖がついてしまった。政治・経済・社会・スポーツ・芸能・週間天気予報・ネット業界そしてブログなど、おかげで世の中のちょっとした出来事にまで、自然と異様に詳しくなってしまう。

家に帰って、カミさんがTVのワイドショーで知った芸能ネタを「知ってる?!○○が〜」と嬉しそうに話出しても、自分はその先の裏情報までをすでにネットで仕入れているので、勝ち誇ったように新事実を加えて切り返すと、一瞬間を置いて「…あんたアホちゃう?ヒマ人か!」と、知りすぎていることを逆に馬鹿にされる。確かにアホかもしれない。

そんな、ある意味ニュース中毒の自分であるが、先日ニュースを読んだだけでゾワーっと鳥肌が立ったことがあった。『セルティック、中村俊輔のFKでCL決勝トーナメント進出』。強豪マンチェスター・ユナイテッド相手に、30メートルの直接フリーキックを鮮やかに決めて1―0で勝利し、クラブ史上初のチャンピオンズリーグ決勝トーナメント進出を決めたのだ。

これがいかに凄いことであるかは、サッカー好きの人以外にはピンと来ないかもしれないけど、鳥肌が立ったのはその事実というよりも、ゴールが決まった瞬間の、スタジアム中の観客が爆発的に喜ぶ様が想像できたからなのである。何せ舞台はホームで相手はあのマンUなのだ。家に帰ってニュース映像を見ると、やはりとんでもないことになっていた。スタジアムを揺らす地鳴りのような歓声。頭を抱えて半狂乱になっているオジさん、顔を手で覆い泣いているオバさん、抱き合って喜ぶカップル、子供たち。多くの動画がYouTubeにもアップされている。

あの夜、グラスゴーの人たちはどれくらいの幸せな気分で家路についたのだろう。街中のパブでどれくらいのビールが消費されて、歓喜の歌が唄われ続けたのだろうと考えると何だか嬉しくなった。まさに魔法の左。しかもこの一撃はセルティックに、チャンピオンズリーグ16強の入場料・放映権・賞金などと、クラブの株価上昇とを併せて45億円の経済効果をもたらしたという。デイリー・エクスプレス紙は翌朝、『芸術はプライスレス』とデカデカと一面で報じた。日本のニュースもこれくらい洒落た見出しをつけてほしいな。

 

セルティックのチームカラーは、サッカーでは珍しい白と緑。

 
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