| バーゲンにて商品のTシャツをレジへ持っていき精算しようとしたところ、レジの女の子が僕の手にしていたヨドバシカメラの紙袋を指差して何か言った。どうもその日本語が変で、一瞬意味が分からずキョトンとしていたのだが、たぶん袋を一緒にしましょうかということだろうなと理解し、「あ、お願いします。」と手渡した。
するとその子も「すみません、私の日本語がおかしくって…。よく言われるんです。」と謝ってきたので、「いやいや。」と笑って返した。そういえば自分も、今でこそ普通にいろいろな敬語を使い分けたりできるが、以前はほんとに日本語が下手だった。敬語が上手く話せないはもちろん、堅い言葉を口にしている自分自身が妙でしょうがなかった。おまけに大の電話嫌い。
「御社は…、弊社は…」って何やねん、ともう蕁麻疹が出そうであった。さらに、興奮したり気持ちが高ぶったりすると、どもるという癖があったので、なおさら人前で話すことが苦手だった。昔よく雀荘で麻雀をしこたま打った帰り道に友人と、その日の戦況を会話するときも、「あのあのあのあのあの、手が手が手が手が…!」とどもったりして、いつまでも本編にたどり着けない。面白い事件や出来事があって友人にそれを伝えるときも、お前は興奮したら何言っているかわかれへん、と笑われたものである。
それがここ数年、完璧ではないにしろ、ようやくある程度正しい敬語を使いながら、クライアント先の役員の前で普通にプレゼンをしたり、電話で交渉したり出来るようになった。誰に教わったというわけでもなく、当たり前だが話すことについてなど誰も助けてはくれないので、自分で必死に乗り越えるしかなかったのである。
特にこのWEBの業界では、何も知らない素人のクライアントを説得したり、同業者に仕事を協力してもらうために内容やこちらの意図を的確に伝えなければならない、ということが多々ある。技術はもちろん大切だが、「話す」「伝える」ということは、自分が生き残っていくための自衛手段としてもっと大切だということに、遅まきながらも気づいたのだ。
だから「そのうちきっと慣れるから気にしないで!」と、その子に笑顔で伝えた。なんてことまでは出来なかったけど。グッスン。 |