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小さな幸せがいっぱいの間宮兄弟

2007.03.18

物心ついた頃からずっと続いている、本と映画と音楽に対する強い欲求。読んだり観たり聴いたりするにあたって、若いとき時間は山のようにあったがお金が全然なかった。今は以前よりもちょっとだけお金の自由はきくけれど、時間が足りない。でもたとえ時間とお金が有り余るほどあって、好きなときに好きだけ本やCDを買えたとしても、これで満足というのはあり得ないことも分かっている。欲望の本質はきっと、何か欠けたものを埋め合わせるためにあるのであって、それが完璧に満たされることはこの先も無いだろうし、満たされてしまってはきっとつまらない人生になるのだ。

音楽についてはさすがにインディーズの新しいバンドまでチェックは出来なくなったが、相変わらず心を打たれる音は確実に存在する。しかも今は洋楽よりも邦楽の方が俄然面白いため、TSUTAYAのレンタルが大変重宝している。ただし耳が飽きるサイクルはやけに短くなった。本については、年々読みたい・知りたいという欲求が際限なく膨らみ続け、こればっかりはどうにもこうにもお金が追いつかない。書店で小脇に数冊本を抱えながら、「今回これは我慢するか…」とその中から1冊を棚へ返すときの哀しさよ。

それに比べると映画についてはめっきり観る機会が減った。決して興味を無くしたというわけではないのだが以前も書いたように、観たかったDVDをウキウキしながら借りてきても、毎回99%の確率で寝てしまうのである。デレク・ジャーマンの作品を分かったような顔して平気で観ていた若い頃が信じられない。たぶん今ならものの3分で意識をなくす自信がある。タルコフスキーならきっと5分だ。

それでも、最初から吸い込まれるように作品に没入できることも稀にある。先日観た『間宮兄弟』がそうだった。始まってしばらくして「これはずっと昔、自分が思い描いていた理想の生活かもしれない…」と思った。好きな本や雑貨に囲まれて、気の合う男二人が呑気に暮らす日々。現実にはありえないユートピアだと分かってはいるが、映像から伝わってくる、ややオタク的ではあるものの湿っぽさを感じさせないホンワカした空気に思わず頬が緩む。いっぱいの小さな幸せと、ちょっとだけの寂しさ。いいなぁ、こんな生活。早く冬が終わってほしい。

 

せっかく暖かくなったと思ったら、また冬が来たねぇ、まったく。

 
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