| 胸がひどく痛い。年甲斐もなく大失恋した、なんて。組手で相手のカウンターをもろに防具の隙間にくらってしまった。一瞬息が止まったが、いつものごとくその最中はすぐに痛みも忘れるので、そのままウラァ〜と続けて8人連続の組手。そしてまたいつものごとく家に帰ってしばらくしてから痛みが出てアヒ〜となる。とはいいつつも、今日の昼間はカミさんが用事でいないので、息子と二人で昼飯を食べにいかなければならない。
なに食べようかと、育ち盛りの中学生&空手帰りの親父という腹ペコ2人組が出した結論は、こってりしたものを食べたいということで一致し、ファミレスにてピザとパスタ。腹が膨らんだ後、そういえば昨日オーケンの本のことを書いていたら、まだ読んでいない彼の著書をもっと揃えたくなり、ちょっとBOOK・OFF寄っていい?とそのまま車で向かう。
比較的新しいめの単行本は新刊で揃えるとして、文庫本になった古いやつを3冊ほど選んで店内をブラブラしていると、「ど〜して〜ど〜して〜♪あいつと寝たの〜」というサビなるニューミュージック系の歌が大音量でYUSENから流れてきた。しかしなんちゅう身も蓋もない歌やねんと半ば呆れていたらその後に続く歌詞も、「もう僕はどうしたらいいか分からない、あの輝く日々は何だったの」云々と切々と歌い上げている。天気の良い昼間から勘弁してほしい。
いや待てよ、どんな歌でもきっとどこかに需要があるはず、ならばこの歌が似合うシチュエーションはと想像してみた。そこは裏通りにある場末のスナック。客は50歳前後の叔父さんがひとりで、カウンターの中のママとこの歌を聴きながら、そういえば昔あんなことがあったよな、と2人で若かりし日々の苦い思い出に浸りながらシンミリとする。こんな感じだろうか。
いやいや、よく考えると別にそんなチンケな設定でなくとも、この頭をかきむしるほどに悔しくてどうしようもない辛さは、世の至るところで普通に存在する男の悩みではないかと気付いた。そう考えると、この普遍的な不条理をここまであからさまに歌い上げるというのは凄く勇気のあることではないか。ひょっとしていま流行ってるのか?みんな胸が痛いのか?・・・なんか違うな。
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