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ソースもんへのこだわり

2007.06.09

尼崎という土地で生まれ、小さな頃からお好み焼きや焼きそば、タコ焼きなどのいわゆる粉もん・ソースもんと呼ばれる食べ物をやたらと食べてきた。小学校の授業が午前中で終わる土曜日はいつも、親から300円ほどもらって友達と近所のお好み焼き屋やタコ焼き屋に繰り出したものである。これは関西の下町で育った人間なら、誰もがみな似たような生活だったと思う。

たかが粉もんと侮るなかれ。お好み焼き屋激戦地区の尼崎では、安くて美味いは当たり前、プラスその店ならではのオリジナルな味と、おっちゃんおばちゃんの人柄、鉄板や椅子などを含めた店内の雰囲気(決して小奇麗ではダメ)などを、シビアな舌と目で総合的にチョイスし、「昼メシ、○○さんのお好み焼き行こか〜」と子供から大人まで、みな庶民は足を運ぶのである。

そういえば昔、今はもう違うと思うが、東京のホットケーキ的な固めの分厚いお好み焼きに、何じゃこれはとショックを受けたものである。お好み焼きたるもの、厚さはほどほどに、そして中はサクっとしてなきゃならんのである。つまり、生地よりもキャベツの割合が断然多くないといけないのだ。ごてごてとした具のトッピングなどもってのほか。焼きそばもまたシンプルさが命。しかし焼きそばの場合は、粉の調合という前段階が無く、具財の基本構成もほぼ決まっているため、実はソースで全てが決まってしまう。美味いソースを持っている店が、イコール焼きそばの美味い店なのである。

そして最高に美味い焼きそばを出す店を、偶然いま住んでいる家の近所で見つけてしまった。いつも初めて入るお好み焼き屋はドキドキするもの。カミさんも尼崎育ちなので、夫婦で異常なほどにこの手のものに対するこだわりが厳しい。しかし鉄板の上で艶々としたソースの輝きを放つ焼きそばを一口食べた瞬間、「ムムッ!これは!?」と料理漫画のように2人で顔を見合わせた。甘さの中に辛味と酸味が絶妙にブレンドされたコクのあるソース、軽くサッと炒めたモヤシのシャキシャキ感、そして麺のほどよい太さとコシ。全てがパーフェクトであった。帰り道、2人ともホッコリとした満足感に包まれながら自転車のペダルを漕いだ。幸せな昼寝が待っている。

 

焼酎の玉露割り。これがまた合うんだな。

 
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