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フラっと一人で立ち呑み屋に寄って、サっと飲んで帰る。いまだにそれが出来ない。まず仕事帰りは決まって、そこそこ大きな鞄を持っているので、狭い空間で人がひしめきあっている中に、それを持って入ることに抵抗がある。出来ることなら置き場所に気にすることなく安心して飲みたいので、もっぱら普通の居酒屋となる。あとはやっぱり知らない立ち呑みに一見さんで入るのはちょっとした根性がいるのだ。
尼崎南部という立ち呑み屋だらけの街で育ち、16の時には既に酒屋兼立ち呑み屋でバイトしていたにもかかわらず、なかなか一人で飛び込む踏ん切りがつかない。あの常連で全て埋まっているかのカウンター(もちろんそんなことはないのだが)に、新顔が突然入っていく緊張感。入ってしまえばどこも同じようなオッサンだらけなので、そのうちきっと打ち解け合うだろうことも分かっているのだが、これが難しい。いや、自分だけか。地元の友人はどこでも平気ですぐ入ると言っていたな。
月刊『大阪人』の今月の特集「立ち呑み24区」が面白かった。「百円安くなるのなら立って呑むのが大阪人、百円払ってでも座って呑むのが東京人」と言われるほど、大阪は東京と比べて立ち呑み屋が多い。そしてそれぞれの店が一見無防備でありながらも、独特の濃密な味わいを持っている。そんな大阪24区内の立ち呑み屋をこれでもか、と大特集している。とにかくもう写真が素晴らしい。気取らないオッサン客と、カウンターの中のオバちゃんのオンパレード。
「立ち飲み三銃士」なる存在も面白い。筋金入りの立ち呑み研究家・新山ひろし氏を中心にした3人組が、現場で体験した感触感覚を『立ち飲みジャーナル』(不定期刊・300円)というミニコミで発表し続けており、そのおかげもあって、若い人の立ち呑みブームにじわじわと火が付いたらしい。やっぱりこれはごちゃごちゃ言わず、オレも飛び込んで行かんとなぁ。先日、毎日新聞の「酩酊・大阪八十八ヵ所大人の遠足」というコーナーを読んでいたら、どこかで見た顔3人が。あ、「立ち飲み三銃士」やがな。
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